算数での発展的な学習について
1 発展的な学習の意味
算数での発展的な学習とは、数量や図形についての基礎・基本を身に付けている子どもが、それを基にしてより広げたり、深めたり進めたりする学習である。特に算数においては、通常の学習指導においても、それまでに学習してきた内容を基にして、それに積み重ね発展させる形で新たな内容を学習していくことが多い。内容に系統性があり、学習に連続性があるという算数の教科としての特性を考慮しながら、個に応じた指導の一環としての発展的な学習の在り方について見当し、指導の工夫を進めていく必要がある。
学習指導要領においては、算数の内容の系統性や学習の連続性に配慮しながら、各学年ごとに基礎的・基本的な内容を位置づけている。そうした内容は、学校、家庭や社会など生活の基になるものであるし、これからも続けて算数数学を学習していく基になるものである。
発展的な学習では、子どもの学習状況に応じて、学習指導要領に示していない内容を取り扱うことができる。その際には、子どもがこれまでに学習し身に付けてきた数量や図形の内容と密接に関連するような教材や学習場面を選択するようにする必要がある。また、できるだけ子どもが自ら工夫したり発展させたりできるように、教材を選択したり指導方法を工夫したりすることが大切である。
2 発展的な学習の進め方
算数の発展的な学習は、子どもがそれまでに身に付けてきた基礎的・基本的な内容を基にして、より広げたり深めたり進めたりする学習である。そうした学習のねらいの一つは、子どもの自ら学び、自ら考える力をより高めることにある。そのためには、子ども自身が自ら工夫したり、発展させたりしていけるような教材を選択したり、学習場面を用意したりする指導の工夫が求められる。同時に、子どもが自ら取り組んでみたいと思えるような、知的なおもしろさが感じられる指導の工夫も必要である。
また発展的な学習の中で、子どもが算数を学ぶ楽しさと充実感を味わえるようにする指導の工夫も必要である。数量や図形についての意味が本当によく分かり、それらを活用できるようになることから学習の楽しさが味わえるようになる。自らの興味や関心に応じた問題に取り組んだり、適度の困難さがある問題を解決したりすると充実感が味わえるものである。子どもの学習状況を事前に適切に評価し、それぞれにふさわしい適度な困難さの教材を選択することが大切である。楽しさと充実感のある学習に取り組むことにより、学ぶ意欲はさらに高まるようになるし、新たな課題に積極的に取り組んでいこうとしたり、新たなものを作っていこうとしたりする態度を育成することにもなる。 発展的な学習では、基礎的・基本的内容を基にして、それを活用していくことから、基礎・基本を学び直したり、より確実に身に付けたりするという教育的価値もある。数量や図形についての意味が今まで以上に実感的にとらえられるようになるし、数学的な考え方や技能を生かすことでその価値や必要性を感じられるようになるのである。また、そうしたねらいを実現するように、指導方法や教材選択を工夫することが大切である。
3 発展的な学習の教材開発
算数の発展的な学習は、子どもがそれまでに身に付けてきた基礎的・基本的な内容を基にして、より広げたり深めたり進めたりする学習である。基礎的・基本的な内容を基にして、それらを活用していくことから、基礎・基本を学び直したり、より確実に身に付けたりすることができる。また、自らの興味や関心に応じた問題に取り組むなど個に応じた指導を進めていくことで、児童が学習意欲を高めることにより、自立的な学びを促すことになる。
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6年「立体」単元末習熟度別学習【アドバンスコース 13名】 |
〈ねらい〉 |
立方体のいろいろな種類の展開図について考えることができ、根拠をもっていろいろな展開図について考えることができる。 |
〈学習活動〉 ○ 学習課題を つかむ。 ○ いろいろな 場合について 考える。 |
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立方体の展開図を11種類考えよう。 |
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・ 既習の展開図を提示した後、1辺5pの正方形6枚を操作 しながら、新しい展開図を考える。 ・ 並べた正方形をマスキングテープで仮止めして、つなぎ合 わせる。 ・ 実際に組み立てて立方体になるかどうか確かめる。 ・ 展開図をワークシートに写す。 |
〈結果と考察〉
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学習の結果、児童も意欲的に取り組み、たくさんの展開図を見つけることができた。その中で、5名の児童は5つ正方形を固定し、残りの1つを動かすという規則的な方法で見つけていった。規則的な方法で見つけた児童の方がたくさん見つけることができた。6年生13名取り組んだ結果は以下の通りとなった。 |
| 見つけた展開図(種類) |
10 |
9 |
8 |
7 |
6 |
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| 人数(人) |
3 |
4 |
2 |
2 |
2 |
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| 規則的な方法で調べた児童(人) |
2 |
2 |
1 |
0 |
0 |
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〈規則的な方法を用いて展開図を見つけ出した例 児童Aのワークシートより〉
〈既習の展開図〉 5枚の□はそのままにし、■を動かしている。 |
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児童は、立方体のいろいろな種類の展開図について考えることにより、展開図について理解を深めることができた。また、学習後の感想の中に「おもしろい発見がいっぱいあった。」「楽しく学習できた。」というものがあり、意欲的に学習に取り組むことができた。
しかしながら、自分の考えを上手く説明することができない児童が数名いた。算数的コミュニケーション能力を高めていくことが今後の課題となる。